YOGA

「チャレンジド・ヨガ」~視覚障がい者のためのヨガクラス~2016.9.3開催(立川会場)

2016.09.04


2016年9月3日。
ここ立川では、大きな白い雲の向こうから、夏を感じさせる陽光が降り注いでいます。
9月に入ったとはいえ、まだまだ暑い土曜日の午後、毎月恒例のチャレンジド・ヨガが開催されました。

今回から立川クラスのインストラクターを担当するmiwa先生。
まずは衣装にご注目ください。


今注目のヨガブランド「AUMNIE(アムニー)」のヨガウェア。
中でも、「AUMNIE」と言えばコレ!というのが、インパクト抜群の全面プリントが施された「AUMNIE IMAGE PANTS」。
毎シーズン、ド派手なプリントデザインで話題を集める、AUMNIEを代表するアイテムです。

今回先生が着用されているこのパンツ、実はこれOSHMAN’Sの別注品なのです。

また、AUMNIEショールームでは1枚からパターンオーダーを受け付けています。
こちらもぜひご利用ください!

さて、CMタイムはここまで(笑)。話を戻します。


まずはマットに身体を横たえ、呼吸観察を行っていきましょう。
仰向けになって眼を閉じて、脚は腰幅に開き、手のひらは天井の方に向けます。
脇の下には卵が一つ入るくらいのスペースを空けて、両腕を少し身体から離しましょう。

静かに自分のペースで呼吸を繰り返します。
今の自分の呼吸に意識を向けて、今日の自分の身体を観察していきます。
肩周り、お腹周り、両足、両手。
それぞれに自分の呼吸を流していきます。
基本は鼻呼吸。
鼻から吸って、鼻から吐きます。
鼻呼吸が苦しい方は、口呼吸でも構いません。
息苦しさを感じない範囲で、ゆっくりと大きく深く呼吸します。
少し意識して「腹式呼吸」をやってみましょう。
おへそから指4本分下辺りに手を当てます。
ここを呼吸で膨らませたり、凹ませたりしていきます。
息を吸って、お腹を優しく膨らませていきます。
息を吐いてお腹を凹ませ、お腹の皮を背中に近づけて、身体を薄く平べったくしていきます。
吸う息と、吐く息とが、同じ長さになるようにしてみましょう。
吸う息で身体が大きく広がっていく感覚、吐く息で身体が小さく縮んでいく感覚。
同じリズムを刻みながら、自分の身体を感じていきましょう。
呼吸しながら聞いてください。
今日のテーマは「お腹を温める」
今、手を当てているところを意識して、ポーズを取っていきます。
まだまだ暑い日が続いていますが、実は私たちのお腹(=内臓)は思いのほか冷え切っています。
外がいくら暑くても、一日の大部分を空調の効いた室内で過ごし、そのくせ暑い夏のムードに乗せられて、ついつい冷たい食べ物・飲み物に手が伸びる、そんな生活の中で意外なほどお腹は冷えているんですね。
さらにそのうえ、何故か夏には生活も不規則になりがち。
じっとり蒸し暑い空気の中でだらだらと流れる汗ときたら、それだけでもうストレスだし、汗をかくのが嫌だからと運動不足に陥る悪循環・・・。
運動不足もストレスも不規則な生活も、お腹を冷やす方向に働きます。
よくよく考えると、夏はお腹を冷やす要因だらけなんですね。
案外知られていないのですが、夏は一年の中で最も太りやすい季節。
誰もが警戒する(笑) 冬太りと違って、夏は汗をかくので太るイメージがないのですが、夏の汗は体温調節の汗なので、いくら汗をかいても身体はほとんどエネルギーを使っていないのです。
寒い季節なら体温維持のためにエネルギーを使ってくれるのですが、夏場はそれが無い分、身体が必要とするエネルギーは少なくて済みます。
そこにいつものように食べてしまうと、カロリー過多となって太る、というわけですね。
ただでさえ太りやすい夏の時期にお腹を冷やすと、基礎代謝が下がってさらに太る。
夏は危険な季節なんです(笑)。
また、お腹の冷えは消化力の衰えにつながり、免疫力の低下を招いて病気にかかりやすくなるなど、様々な悪影響を及ぼします。
百害あって一利なし。
そんな困った内臓の冷えを改善するには、激しい運動を行うよりも、無理のない運動でじんわり内側から温めていく方法が適しています。
今回は、前屈やねじりなどのポーズを多めに予定しています。
お腹周りを意識しながらポーズを取っていきましょう。

それともうひとつ。
身体を動かすときに大事なこと。
もうおわかりですね。
それは「呼吸」。
吸う息で、身体はアクティブになり、血管が縮みます。
吐く息で、身体はリラックスして、血管が広がります。
縮んだり弛んだりの繰り返しによって、徐々に血の巡りが良くなり、温かい血液が身体の奥まで充分に届いて、冷えた内臓を温めてくれます。
それでは、ゆっくり自然な呼吸に戻していきましょう。
お腹に乗せた手を外して、マットの上に降ろします。

それでは、少しずつ身体を動かしていきましょう。
「ガス抜きのポーズ」に、ねじりを加えたアレンジポーズを行います。
ここからポーズの説明です。
1. 仰向けの姿勢から、右ひざを胸に引き寄せて両手で抱えます。
左脚は伸ばしたままリラックスさせておきます。
息を吐きながらぐーっと右ひざを胸に近づけます。

2. 右手を右ひざから離して、右の二の腕を右耳の横に置き、右腕全体を右斜め上の方向に伸ばして、右手の甲をマットに付けます。

3. 一度息を吸って、吐きながら左手で右ひざを身体の左側に引っ張り、右脚全体を身体の左側に倒していきます。
両肩をマットから離さずに、右ひざを身体の左側に倒してマットに近づけることで、身体の右側面をねじって伸ばします。
顔は右の方に向けます。
呼吸を止めずに、吐く息でねじりを深めます。

4. 息を吸いながら右ひざをゆっくりと胸の前に戻したら、ひざを伸ばして左脚の横に降ろします。

5. 左脚も同じ手順で行い、左の体側をねじります。

6. 左脚を解放したら、両手もいったん身体の横に降ろします。

7. 今度は、両ひざを同時に胸の方に引き寄せ、両手で抱えます。
腰と背中がマットにピッタリと付いているのを確認しましょう。
腰の辺りに隙間が出来ないように、お腹の肉を背中の方に引き寄せて、腹圧を掛けていきます。

8. 息を吐きながら、おでことひざを近づけます。
そこで3秒キープします。

9. 頭をマットに降ろし、身体を左右に揺すってリラックスしましょう。

10. ひざを胸から離して両足裏をマットに付け、立てひざのかたちになります。

11. 身体を右側にころんと転がして、身体を丸めた良く向き寝の姿勢になります。

12. 左手で身体を支え、頭が最後になるように、ゆっくり身体を起こします。
ポーズの説明はここまでです。

 

身体を起こしたら、次のポーズに移ります。
「やさしい亀のポーズ」で、腹部に圧を加えて温めます。
股関節の柔軟性を高める効果もあります。
※眼圧が高い方、血圧の高い方などは、ポーズのキープ時間を短めにして、あまり頭の位置を下げないようにしましょう。
ここからポーズの説明です。
1. 両脚を左右に開いたら、ひざを曲げて折り返し、足の裏同士を重ね合わせて、合蹠(がっせき)の姿勢で座ります。
2. 足裏を重ねたまま足全体を身体の前に出し、股間、両ひざ、合わせたかかとの4点でひし形を作ります。
両ひざの間の長さより、股間とかかとの間の長さの方がやや長いくらいのひし形を作りましょう。
3. お尻の肉を左右に掻き出して、お尻の一番下にある骨、坐骨をマットに立てるようにして座ります。
4. 下腹部を身体の中に引き入れるようにしながら、身体を起こして胸を開き、背中を伸ばします。
頭のてっぺんを天井から吊るした糸で引っ張り上げられるようなイメージで、頭を天井に向けて伸ばします。
肩には力を入れずにリラックスさせておき、引き上げられた頭と置いていかれる肩との間に隙間が広がるのを感じましょう。
何度か大きく呼吸しながら、安定した姿勢になるように調整します。
5. 息を吐いて、ゆっくりと前屈していきます。
背中を丸めて頭を前に出すのではなく、背中を伸ばして股関節を支点に身体を折り曲げることを意識しましょう。
両手は手のひらを上にして、ふくらはぎとマットの間の隙間に差し込みます。
息を吸って背中を伸ばし、吐きながら身体の重みで少しずつ前屈を深めていきます。
お腹や股関節回りに呼吸を流して、空気の出入りでお腹を刺激しつつ、吐く息で身体が弛むタイミングをとらえて前屈を深め、股関節の可動域を広げていきます。
6. 両手をふくらはぎの下から引き抜き、息を吸って身体を起こします。
7. 最初は頭の高さを変えずに、骨盤と背骨の下の方から起こしていって、最後に胸を起こし、頭を起こして元の姿勢に戻りましょう。
ポーズの説明はここまでです。

一度、息を吸って肩を引き上げて、息を吐いて肩を落とします。

もう一度息を吸って、肩を耳に近づけて、吐いて肩を落としてリラックス。

それでは次のポーズに行きましょう。

 

今度のポーズは「ジャーヌ・シールシャーサナ」
サンスクリット語でジャーヌはひざ、シールシャは頭で、「頭をひざに付けるポーズ」。
ということはつまり、先ほどに引き続いて前屈のポーズです。
身体の側面や腰周りを伸ばすとともに、腹部に圧を掛けて刺激します。
※眼圧が高い方、血圧の高い方などは、ポーズのキープ時間を短めにして、あまり頭の位置を下げないようにしましょう。
ここからポーズの説明です。
1. 脚を前に伸ばして長座の姿勢で座ります。
お尻の肉を左右に掻き出して、坐骨を立てて背中を伸ばします。
腰が丸まってしまう方は、お尻の下にクッションや畳んだブランケットなどを敷いてみましょう。
2. 左脚は伸ばしたままで、右ひざを立てて両手で抱え、胸の前に引き寄せます。
右のかかとが右の座骨のすぐ手前に来るところまで近づけます。
3. 右ひざを身体の外側(この場合は右側)に開いて、右足の裏を左の太ももの内側、ももの付け根の辺りに当てます。
右脚を開いたときに、身体もつられて右方向に開いてしまいがちなので、おへそが真っすぐ正面、伸ばした左脚の方向を向くように姿勢を調整しましょう。
4. 背中を伸ばし、身体を股関節から折り曲げていきます。
伸ばした左脚に沿って両手をパタパタと前に歩かせながら、ゆっくりと身体を前に倒します。
左ひざは少し曲がっても構いません。
意識して背骨を伸ばし、股関節から折るように身体を畳んでいきましょう。
そして呼吸。
息を吸ってお腹を膨らませ、呼気の圧力で内臓を上から押すように刺激します。
息を吐いて身体の重みで前屈を深め、下腹部から絞り上げるように腹圧を高めて、下から内臓を刺激します。
ここではお腹への刺激が目的ですので、力んで身体を前に倒したり、頭がひざに付くまで頑張ったりする必要はありません。
お腹に意識を向けて、全身を弛めながらお腹を心地よく刺激していきましょう。
5. 両手を身体の方に歩かせて、ゆっくりと身体を起こします。
6. 右に倒した右ひざを立てたら、ひざを伸ばして長座の姿勢に戻ります。
7. 左右を入れ替えて行います。
ポーズの説明はここまでです。

 

軽く水分補給をしたら、次のポーズへ。
「ヴィダラーサナ(ねこのポーズ)」
背骨の柔軟性を高め、首や肩周りを弛めます。
ここからポーズの説明です。
1. 四つん這いの姿勢になります。
肩の真下に手首、股関節(太ももの付け根)の真下にひざが来るように、姿勢を調整しましょう。
両手は大きく「パー」のかたちに開いて、手のひら全体でマットを捉えます。
足先は寝かせて、足の甲をマットに付けます。

2. 息を吸いながら、背中を反らせます。
お尻を上に突き上げてお腹を沈め、胸を起こして大きく開き、あごを前に突き出して、首の前側を長く伸ばします。
お尻の先から頭のてっぺんまで使って、背中全体で下向きの円弧を描きます。
胸をいっぱいに開いて、空気をたっぷりと吸い込みましょう。

3. 息を吐きながら、あごを引いて首の後ろを伸ばし、お腹を凹ませ背中を丸めて、身体を上に持ち上げます。
腕の力も使って肩甲骨を高く持ち上げ、その先にある背中を押し上げます。
地中から力強く隆起する溶岩ドームのように、背中で上向きの円弧を描きます。
お腹をぐーっと凹ませて背中を押し上げながら、最後まで息を吐き切りましょう。

4. 息を吐き切ったら、再び息を吸いながら背中を反らせていきます。
吸って反り、吐いて丸める動作を、呼吸に合わせて繰り返し行います。
ポーズの説明はここまでです。

1呼吸1アクションで、流れるようにかたちを変えていくこのポーズ。
それぞれの呼吸に合わせて、味わうようにポーズを取っていきます。

しばらく繰り返したら、「チャイルドポーズ」で休みましょう。

四つん這いの姿勢に戻ったら、お尻をかかとの上に降ろし、両腕を前方に伸ばしておでこをマットに付けるか、おでこの下で両手を重ねて、その上におでこを乗せます。
ゆったりと全身の力を抜いて、ねこのポーズで動かした背中を休めます。
大きく深く呼吸して、吐く息に合わせて身体を弛めていきましょう。

 

一休みの後は、ちょっと難し目のポーズに挑戦します。
行うのは、「アンジャネヤーサナ」「アルダ・ハヌマーナーサナ」
アンジャネヤーサナで腹部を伸ばし、アルダ・ハヌマーナーサナで腹部を圧迫。
お腹周りをしっかりと刺激して、腹部のむくみを解消していきましょう。
ここからポーズの説明です。
1. 四つん這いの姿勢になります。
足先は、足指をマットに付いて足裏を立てた、つま先立ちのかたちにしておきます。
2. 右足をマットから離して前に出し、かかとを両手の間に置きます。
3. ゆっくりと上半身を起こして、両手を右太ももの上に乗せます。
ここで姿勢を整えておきましょう。
右足のかかとが右ひざより少し前に来るように位置を調整します。
左ひざは、お尻の真下から半歩後ろくらいの位置に持っていきます。
4. 片方の手を腰の真ん中に当ててみてください。
お尻の割れ目の始まるところを触ってみると、そこに小さな骨があります。これを尾骨と言いますが、この尾骨が真下に向くように、腰の下の部分を前にせり出させます。
尾骨から生えた尻尾をイメージして、これを身体の前側に巻き込むような動きをイメージしても良いでしょう。
そうすると、自然に下っ腹が凹んでくるので、この動きに合わせて下っ腹を上に引き上げるようにしながら、身体を起こして斜め上方に向かって胸を開き、背中を上に向けて伸ばしていきます。
腰を反らせるのではなく、身体を上に伸ばす動きを意識しましょう。
肩に力が入っていませんか?
力んで肩が上がっているようなら力を抜いて、肩の位置を下げておきましょう。
5. 今度は、鼠蹊部(太ももの付け根。「Vライン」とか「コマネチライン」とか言われるところです。)に意識を向けてみましょう。
身体を上に伸ばしていく動きに合わせて、お腹の辺りから左の鼠蹊部を経て、左太ももの前側までが、ぐぐーっと伸びていくのを感じられるでしょうか。
左足のつま先でマットを押し込み、重心をやや前の方に移して右足を踏み込みながら、じんわりと鼠蹊部を伸ばしていきます。
このとき、上体を前に倒すのではなく、真上に伸びた姿勢を保ちながら、身体全体を少し前にスライドさせるようにして、重心を前に移します。
ゆったりと大きく呼吸しながら、吸う息をお腹や鼠蹊部に流していくイメージで、気持ちよく伸びる感覚を楽しみましょう。
6. ここから今度は前屈します。
上体を前に倒して右太ももに胸を付け、右足を真ん中にして、左右の手を右足のつま先の横に置きます。
7. 手の位置はそのままで、息を吸いながら下っ腹を引き上げて背中を伸ばし、息を吐きながらお尻を後ろに下げて、右ひざを少しずつ伸ばしていきます。
バランスを崩さないようにゆっくりと。
右ひざが伸びるのに合わせて右のつま先を天井に向け、かかとを前に押し出すようにすると、右脚の後ろ側が気持ちよく伸びていきます。
右ひざは完全に伸ばし切らなくても構いません。
息を吸って背中を伸ばし、吐いて弛めて前屈を深める、を繰り返します。
股関節で身体を折り畳んで、お腹と右の太ももを近づけ、先ほど伸ばしたお腹を圧迫して刺激します。
8. 息を吸いながら、ゆっくりと右ひざを曲げて前に出します。
9. 右足を後ろに引いて四つん這いの姿勢に戻ったら、そのままお尻をかかとの上に降ろしてチャイルドポーズで休息します。
ポーズの説明はここまでです。
miwa先生の「練習開始!」の声を合図に、サポーターさんとの練習時間に入ります。
それぞれの身体の状態に合わせて、ブランケットや椅子など、その場にあるものを活用しながら、無理のない自分なりのポーズを掴んでいきます。

練習時間の後、最後にもう一度全員でポーズを取ります。

しっかりとポーズが取れている方、練習時間の後で見違えるほどきれいなポーズになっている方、それぞれが自分なりにこの難しいポーズを身に着けていました。


 

ここからは立位のポーズに移ります。
まずは立位の基本「タダーサナ(山のポーズ)」から。
足を腰幅程度に開いて立ちます。
足裏の4点を意識しましょう。
親指の付け根、小指の付け根、かかとの内側、かかとの外側、この4点で身体を支えます。
背中を伸ばして真っ直ぐに立つことで、この足裏の4点に身体の重みを均等に乗せていきます。
さらに土踏まずのアーチを意識してみましょう。
「土踏まず」というと足の内側のアーチを思い浮かべますが、土踏まずというのは実は3か所にあります。
親指とかかとの内側を結ぶ足の内側のアーチの他に、小指とかかとの外側を結ぶ足の外側のアーチ、親指と小指を結ぶ足の前側のアーチがあります。
これらのアーチが連動して歩行の際の衝撃を吸収するほか、足の内側のアーチは身体の左右の揺れを、足の外側のアーチは横方向への身体のひねりを、足の前側のアーチは身体の前後の揺れを、それぞれ感知して身体のバランスを保つ働きがあります。
先ほどの足裏の4点を意識することで、それらの間にある土踏まずを刺激することにもなるのですね。
土踏まずのアーチを意識しながら足裏の4点で身体を支えるようにすると、脚の内側がキュッと引き上がるような感覚が感じられます。
この引き上がる感覚を、お腹や背中、胸、頭と伝えていきます。
あごを軽く引いて、肩の力を抜いてリラックスさせましょう。


立位の基本が出来たところで、今度は足指の運動。
まずは、足指を全部マットから離して持ち上げます。
先ほどの足裏の4点でしっかりマットを押して、足の指だけを反らすように上に向けます。

ひと呼吸したら、上げた足指をふわっと優しくマットに降ろします。

今度は、一度足指を全部持ち上げて、そのあと親指だけをマットに降ろします。


分かっちゃいるけど、なかなか思い通りに動かないのがこの足指。
皆さん「こうかな?」という表情を浮かべながら、自分の足指と格闘します。

「皆さん、手の指が変なかたちになってませんか?」
miwa先生の言葉でふと我に返って、手の指に意識を向けてみると、全く意識していなかったはずの手の指が、あらぬ方向に反りかえっているのに気づいて大爆笑。
普段使わないところを使おうとすると、無意識のうちに身体中のあちこちが力んでいることに気づかされます。
 
もう一度足指を全部持ち上げて、今度は小指だけをマットに付けます。
やっぱり手の指が変な方向に(笑)。

もう一度上げて、親指だけ降ろして。
もう一度上げて、小指だけ降ろして。
足裏の4点で立つ感覚を掴むとともに、土踏まずを鍛えることにもつながります。何度か繰り返してみましょう。


さて、今度は足指を降ろして胸の前で合掌します。
重ねた手の親指を胸の中央に当てておきましょう。
足裏の4点でぐっとマットを踏み込むと、身体に上向きの力が働くのが感じられます。
その力で下っ腹を引き上げ、胸を広げて、背骨をしっかり伸ばしていきます。
肩の力を抜いて、首の後ろを伸ばして、頭のてっぺんを天井に向かってすーっと持ち上げていきます。
 
息を吸って、流れ込む空気とともに身体を伸ばし、息を吐いて、お腹から身体を右側にねじります。
足の位置はそのまま動かさず、ひざの向きは正面。
合掌した手の親指は胸の中央、中指の上にはあごの先端。この状態のまま、お腹をねじります。
首を回して顔だけが右に行ってしまったり、肩を使って合掌した手だけが右に行ったりもしがちですが、今回のテーマは「お腹」ですから、身体のほかの部分は使わずに、お腹をねじることを意識しましょう。
 
息を吸って背骨を伸ばして、息を吐いてさらにお腹を右にねじります。ゆっくり時間をかけて、少しづつねじりを深めていきましょう。
息を吸って体を正面に戻して、今度は吐きながら身体を左にねじります。
吐く息とともに少しずつ。
いっぱいまでねじったつもりでも、意外と次のひと呼吸でもうひとねじり出来るもの。
人間の身体って不思議ですね。


身体を正面に戻して、今度はつま先立ちの練習に入ります。
バランスを取りづらい方などは、身体を支えられるように、壁のそばか背もたれのある椅子などを使ってみましょう。
両手を腰に当て、息を吸いながらゆっくりとかかとをマットから離します。
足の内側に意識を向けていきましょう。

想像してください。
今、あなたの足の親指の付け根の下には500円玉が置いてあります。
この500円玉の上でつま先立ちするつもりで、しっかり踏み込んでいきましょう。
息を吐きながら、ゆっくりかかとを降ろします。
両手を降ろして、リラックス。
今度は、つま先立ちで「前へ倣え」をしてみましょう。
息を吸いながら、ゆっくりとかかとを上げてつま先立ち。
バランスが取れたら両腕を前に、肩の高さまで回し上げます。
お腹を引き上げ、背中を長く伸ばします。
息を吐きながら、ゆっくり両腕とかかとを降ろします。

今度はさらに、つま先立ちで腕を天井の方まで上げてみましょう。
先ほどの足裏の4点を意識して、下っ腹を引き上げ胸を広げて背骨を伸ばし、息を吸ってゆっくりかかとを上げていきます。
つま先立ちの姿勢が安定したら、息を吸って両腕を前から回し上げます。
 まずは肩の高さまで。
大丈夫そうなら、さらに天井に向かって両腕を回し上げていきます。
自分の腕の重みを感じて、その重みをつま先でしっかりと受け止めます。
息を吐きながら、ゆっくり両腕とかかとを降ろします。
 

バランスポーズも見事にクリア、足裏をしっかり使ったところで、次はその足裏の踏ん張りがものをいう「ウトゥカターサナ(椅子のポーズ)」へ。
椅子は椅子でも空気椅子。腰かけるのも楽じゃありませんが、下半身の血行促進、筋力アップの効果があり、第二の心臓とも言われる脚の強化に適したポーズです。
ここからポーズの説明です。
1. 先ほどの「タダーサナ」の姿勢で立ち、両手を腰に添えます。

2. 息を吐きながら、少し離れた椅子の座面にお尻の先を乗せるようなイメージで、軽くひざを曲げながらお尻の位置を下げていきます。
このとき、お尻を後ろに突き出すと、腰が反ってしまってお腹がだらんとしてしまいますので、尾骨(お尻の割れ目の始まりのところの骨)を身体の前側に巻き込むようにしてみましょう。
自然とお腹が凹んできます。

3. 息を吸って、背中をしっかり伸ばします。
肩の力は抜いて、リラックスさせておきましょう。

4. 呼吸を整え、息を吸いながら両腕を伸ばして前から回し上げ、肩の高さで「前へ倣え」。
余裕のある方は、さらに両手を天井の方に向かって上げてみましょう。
まだまだ余裕のある方は、もう少しひざを深く曲げて、お尻の位置を下げてみましょう。
「うわーっ、きつい」
そんな声もあちこちから聞こえてきますが、そこはmiwa先生、さらりと聞き流して、
「この姿勢で呼吸します。3秒キープしますね。3・・・・・・・・・・2・・・・・・・・・・1・・・・・・・・・・」。
ちなみに先生、このセリフで15秒かかってます(笑)。
「それでは、息を吸ってひざを伸ばしましょう。」

5. しっかり足裏でマットを押して、息を吐いてタダーサナの姿勢に戻ります。
ポーズの説明はここまでです。
会場内が安堵のため息で満たされる中、立位のポーズはこれにて終了。
再びマットに腰を下ろします。
 

次のポーズは「アルダ・マッツエンドラーサナ」
身体をねじって消化器系の内臓を刺激、デトックス効果があるとも言われています。
腹部が圧迫されて血流が滞る分、ポーズから抜けて圧迫が解けたときには、たくさんの血液が流れます。これが冷えた内臓を効果的に温めてくれます。
ここからポーズの説明です。
1. 長座の姿勢で座ります。
腰が丸まって座りづらい方は、お尻の下にクッションなどを敷いてみましょう。

2. 右ひざを曲げ、右太ももを自分の方へ近づけて、右足の裏をマットに付けます。

3. 右足を持ち上げて左脚を跨ぎ超えさせ、左脚の外側(左側)に置きます。
お腹を引き上げ、背中を伸ばして、右太ももとお腹を出来るだけ近づけておきましょう。

4. 左手で右ひざを抱え、右手をお尻の後ろに付きます。

5. 息を吸って背骨を伸ばし、肩の力を抜いて頭のてっぺんを天井に向けて高く上げたら、息を吐きながら胸を右に開いて、上半身を右へねじります。
ねじったら、そこでもう一度息を吸って背中を伸ばし、吐いて身体をさらにねじります。
呼吸を繰り返しながら、少しずつねじりを深めていきます。
左足のつま先をしっかりと天井に向けて、かかとを前に押し出していきましょう。
さらに息を吸って、背中を伸ばして。ねじったお腹に呼吸を流します。
息を吐いて、抜けていく空気で出来た隙間を埋めるようにして、もうひとねじり。

6. 一度息を吸って、吐きながら胸を正面に戻し、右脚の位置を戻して長座の姿勢に戻ります。
伸ばした両脚をバタバタさせたり、左右にブラブラと揺らしたりして緊張をほどきましょう。

7. 左右を入れ替えて行います。
ポーズの説明はここまでです。
 
ねじりの刺激のあとは、腹筋を使ってお腹を引き締めるポーズをひとつ。
次のポーズは「ナヴァーサナ(舟のポーズ)」
身体全体を使って舟のかたちを作ります。
「舟のかたちって、どんなかたち?」
いい質問です。早速やってみましょう。
ここからポーズの説明です。
1. 両ひざを立てて、体育座りの姿勢で座ります。
身体を軽く左右に揺すって、坐骨がマットに付くのを感じます。

2. 左右の手をひざの裏に回します。
ここでちょっと重心を後ろにかけてみましょう。
後ろにひっくり返らないように注意して、そっと体重を後ろにかけていくと、両足がふわっとマットから離れます。
これがこのポーズのイメージ。お尻を支点に逆三角形を作ります。
それでは一度足を降ろしましょう。

3. 息を吸って背骨を伸ばし、吐きながら身体をそっと後ろに倒して、両足を床から持ち上げます。

4. まず、右脚のすねがマットと並行になるところまで持ち上げてみましょう。
座骨でしっかりマットを押して、背中を伸ばして。
腹筋をしっかり使って姿勢を維持しながら、右のかかとが脇の下の高さにくるくらいのところまで持ち上げてみましょう。
息を吐いて、右足を降ろします。
続いて左足。
しっかり腹筋を使って、右足と同じように持ち上げます。
だいたいの感覚は掴めたでしょうか?
息を吐いて左足を降ろし、もう一度右足を上げていきます。
右のかかとを脇の下の高さくらいまで上げたら、続けて左足を持ち上げて右足に揃えます。

5. 余裕のある方は、両手をひざの裏から離して「前へ倣え」。
腕の支えがなくなって、腹筋だけを頼りにポーズをキープします。
呼吸、止まってませんか?
呼吸を止めずに、もうひと頑張りです。

6. それでは、息を吐きながら、ゆっくり足をマットに降ろして、体育座りの姿勢に戻りましょう。
ポーズの説明はここまでです。

しっかりお腹を使ったので、今度はうつ伏せの姿勢になっていきましょう。
「コブラのポーズ」でお腹を伸ばします。
ここからポーズの説明です。
1. うつ伏せの姿勢で横たわります。
両脚を腰幅程度に開いて伸ばし、足の甲をマットに付けます。
両手は、手のひらを下にして顔の前で重ね、手の甲の上に額を乗せて、全身の力を抜いていきます。

このうつ伏せの姿勢は「マカラーサナ(わにのポーズ)」
チャイルドポーズなどと並んで、代表的なヨガのリラックスポーズのひとつに数えられています。
自分のペースで呼吸を繰り返しながら、吐く息とともに力みがほどけて、お腹がマットに広がっていくのを感じます。

2. 続いて、「コブラのポーズ」に入るための準備運動。
まず、腰幅に開いている両脚を揃えます。

3. 右足の甲をマットから離して5センチほど浮かせたら、息を吸いながら、右脚を付け根からぐーっと後ろへ伸ばします。

4. 息を吐きながら、ゆっくりふわっとマットに降ろします。
この動きだけでも、右の脚がいつもよりちょっとだけ長くなっています。

5. 左の脚も同様にして後ろに伸ばします。
これで両脚がいつもより少し伸びました。
この長く伸びた脚を使ってポーズに入ります。

6. まず、足の甲をマットに付けます。
足の親指、小指をマットにしっかりと付けて、足の甲でマットを押します。
左右の手は胸の横に置き、脇を締めてひじを立てます。

7. 息を吐きながら、頭のてっぺんを前方斜め上に伸ばしていくイメージで、胸をマットから浮かせます。
胸が浮くのに合わせて、両手もマットから浮かせます。
肩甲骨を身体の中央に寄せて、胸を前に押し出します。
尾骨を身体の前に巻き込むようにして、下っ腹の力も使って身体を起こします。
この姿勢で呼吸しながら、5秒キープします。

8. 息を吐きながら、胸と両手をマットに降ろします。

9. 一度四つん這いになって、そこからお尻をかかとの上に乗せ、チャイルドポーズで背中と腰を伸ばして休みましょう。
ポーズの説明はここまでです。


 


チャイルドポーズの姿勢から、まず骨盤を起こし、背骨を下の方から立てていって、最後に頭を上げて身体を起こします。
今度は仰向けの姿勢で身体を横たえ、両ひざを胸の前で抱えます。
腰から背中、肩までマットに付けて、安定した姿勢で身体を弛めていきます。

 


それでは、両脚を降ろして「シャバアーサナ」に入りましょう。
両脚をマットの幅と同じくらいに広げて伸ばし、脇の下に隙間を開けて両腕を身体から少し離して伸ばし、手のひらは天井に向けます。
歯のかみ合わせを弛め、こめかみの力も抜いて、眉間のしわもほどきます。


肩の力も、お腹の力も抜いていきます。
脱力した足のかかとが重たくマットに沈んでいきます。
身体全体が、静かにマットの中に沈んでいく感覚。
しばしの間、生の世界を離れて屍となり、何もかも捨てて静寂の世界に身を委ねていきます。


優しく響くティンシャの音は覚醒の合図。
屍となった身体に、少しずつ生命の火を蘇らせていきます。
心臓から遠い手足の指を動かして、頭を左右にコロンコロンと転がして。
頭の上に手を伸ばし、息を吸って大きく伸びをしましょう。
ぐーっと身体を伸ばしたら、口から大きく息を吐いて脱力します。
そしていよいよ目覚めの時。
身体の右側を下にして、横向き寝の姿勢になり、左手でマットを押してゆっくり起き上がります。
頭を下げて首の後ろを伸ばしたままで身体を起こし、最後に顔を上げて安楽座の姿勢で座りましょう。
お尻の肉を左右にかき分け、坐骨をマットに立てます。
両手はひざの上に置き、軽く瞼を閉じて、自分のリズムで呼吸しましょう。

今日の朝、目覚めたときの身体、クラスが始まる前の身体、そして今の身体。
身体中を観察して、その違いを感じていきましょう。
 
胸の前で合掌して、自分の身体に感謝を込めて、「ナマステ」のあいさつで今日のクラスを終わります。
「ナマステ~」
暖かな拍手が会場を包みます。
こうして、miwa先生の初めてのクラスは終了したのでした。


PROFILE
村上 智彦

村上 智彦

所属部署:業務部

温泉が好きすぎて、とうとう温泉ソムリエマスターになっちゃいました。
勢い余って、温泉入浴指導員、高齢書入浴アドバイザーの資格も取りました。
トレッキングは好き嫌いというより、歩かないと行けない温泉があるので必要に迫られてというか・・・(笑)。

オッシュマンズはチャレンジド・ヨガの活動を支援しています。
それは人と人との繋がりの賜物。
良いご縁に恵まれて、立ち上げのときからお手伝いさせて頂いております。

スポーツは万人のもの。
それはチャレンジド・ヨガの理念。
そしてオッシュマンズの目指すものでもあります。

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