
2009.04.21
ユーモアと哲学的価値観にあふれた、ポップなデザインが登場

前回のBUYER'S RECOMMENDでもサーフアートについて触れたが、近年はサーフアーティスト達への注目が国内外問わずに高まってきている。日本にもサーフアーティストとして活躍している人は多くいるが、そのなかでも代表的存在といえるのが「Cloveru(クローバル)」の創設者でありデザイナーのSHO(渡部将)だろう。
自身もサーファーであるSHOがクリエイトする世界観は、旅、サーフ、日常・・・と、あらゆる視点から自然を感じ取り、それを服に宿したもの。等身大のメッセージでありながらも空想的なイメージをかき立てるデザインは、着る人の生き方やライフスタイルにユーモラスかつ哲学的なエッセンスを加えてくれる。
今シーズンの「Cloveru」は“Scale”“Ocean”“Nature”“Message”というテーマのもと、「Cloveru」のブランドコンセプトのルーツともいえる価値観をグラフィックで表現したコレクションとなっている。ここではその一つひとつに込められたメッセージについて、紹介してみたいと思う。
まずひとつめは「BANANA」。バナナのアートといえば、ポップアートの巨匠アンディ・ウォーホルがアメリカの大衆文化をシルクスクリーンで表現した作品が広く知られているが、そのウォーホルへのオマージュも込めつつ、サーファーにとっては天然サプリメントとして親しみのあるこのフルーツを「Cloveru」スタイルでアレンジしている。
サーフィンに夢中な女の子をイメージして作られた「SURFER GIRL」は、SHOが得意とする線画タッチの空想的なグラフィック。女の子を包み込むのは波のコラージュで、自然と一体になった感覚が描かれているTEEだ。
サーフアートの持ち味のひとつである環境保護の視点も、「Cloveru」ではファンタジックな手法で表現されている。海を泳いでいるようにも、空を飛んでいるようにも見えるペンギンが描かれた「PENGUIN」は、地球温暖化に対する危機感がメッセージとして表されたもの。ペンギンが被っている帽子はよく見ると地球の模様になっており、バックには“the south pole(南極)”のロゴがデザインされている。ユーモラスな絵柄ながら、ふと環境について考えさせられるアイテムだ。
「PELICAN」も環境メッセージが表現されたTEE。海にいる鳥といえば日本人ならカモメを思い出すものだが、カリフォルニアの場合、ビーチといえばペリカン。現地のサーファーにとってペリカンといえば海であり、環境をイメージさせる存在なのだ。「PELICAN」では、そのペリカンの翼は波のように描かれ、膨らんだ口には地球が入っていて、足元にはビーチサンダルも。サーファーならではの視点で捉えられた自然のイメージがデザインされている。
ミルクガラスで作られたファイヤーキングに描かれていそうな、ビンテージ感のある模様があしらわれている「KARMA」。カルマとは運命、因果という意味であり、このTEEで描かれているのは「Cloveru」の起源、由来となっている「clover underground(アンダーグラウンドで活動する四葉のクローバー)」なのだ。ブランドの運命、因果ともいえるそのルーツをポップに表現した1枚である。また、昨年に引き続き、手をモチーフにした「HANDWAVE09」も登場。いつでもどこでも「いい波に乗りたい」と考えるサーファー達の、普遍的な想いをデザインに落とし込んでいる。
その視点の一つひとつに、深いこだわりを感じさせてくれる「Cloveru」のサーフアート。流行を追うより自分らしさを表現したいと思う人達に、ぜひこのデザインを楽しんでもらいたい!
USA VANS、カシオG-SHOCKなどのデザインを手がけたSHO(渡部将)が、1998年に立ち上げたサーフアパレルブランド。サーファーとしての視点を通じて、自然や環境への想いを独創的なデザインで表現している。
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