YOGA

「チャレンジド・ヨガ」~視覚障がい者のためのヨガクラス~2016.7.2開催(立川会場)

2016.07.03


2016年7月2日。

ここ立川では午前中の雲も切れて青空が広がり、気温もぐんぐん上昇中。
梅雨が盛りの紫陽花も、降り注ぐ陽射しに少々お疲れ気味のご様子です。

そんな中、会場内にはすでにたくさんの方が集まり、準備運動が始まっていました。

クラスが始まる前に、脚を中心に身体をほぐしておくこの時間は、その日担当するサポーターさんとのコミュニケーションタイムにもなっています。


さて、全員揃ったところでクラスを始めます。

今日のテーマは、「暑熱順化~身体の機能の陰陽を導こう~ゆったりのびのび夏ヨガTime」
「暑熱順化」とは、暑さに対応出来るように養生する、という意味です。
今日の晴天を見ても、梅雨明けはもう目前。
夏の到来とともに、暑さも本番を迎えます。
天地陰陽の気が活発に交流し、生気漲り花咲き実る季節。
夏になると「陽の気」の高まりはピークを迎え、気持ちが外に向かいます。
やる気がみなぎり、いつもより行動的な気分になることが多くなっていきます。

東洋医学によれば、夏は「暑」の季節。
「暑」は上へ上へと昇る性質があります。
「暑邪(しょじゃ)」に浸されると、カラダの上部に熱が滞り、のぼせや高熱、口の渇き、口内炎、目の充血を伴う痛み、頭痛などの症状となって現れます。
そして、熱を溜め込むことで「心」が乱れ、気持ちがイライラしやすくなります。
夏になると衝動的な言動を起こしやすくなるのは、暑邪の仕業なんですね。

さらに、湿度の高い日本の夏は、前回のテーマでもあった「湿邪」にも注意しなければなりません。
「陰の気」を持つ湿邪は、体内の気を滞らせ老廃物を溜め込む性質があります。

暑邪に湿邪が結びついて引き起こすトラブルは重く、長引きます。
早めのケアで体内の循環をスムーズにし、免疫力を高めておきましょう。

加えて、夏の時期は室内と室外との温度差が身体に悪影響を与えがちな季節。
特に、冷房の強い風が直接身体に当たることで、「風邪(ふうじゃ)」が体内に侵入し、冷えやこわばりを生み出します。
身体が冷えた状態が続けば、「風邪(ふうじゃ)」はさらに「寒邪(かんじゃ)」となって、関節の痛みなどをもたらすとも言われています。

空調が完備した環境に暮らす現代人にとって、夏は心身共にコントロールが難しい季節。
本来私たちの身体は、自律神経の働きによって一定の体温を保つように出来ており、発汗により身体の熱を発散させて体温を下げる調節機能を持っています。
しかし、この調整機能は温度変化が5度以上になると上手く機能しなくなります。
室内外の温度変化により自律神経は稼働状態を強いられ、次第に働きが鈍くなっていきます。
さらに暑さで気を消耗するため体力も奪われ、内臓の働きも弱まって消化力も低下してしまいます。


こうした夏の季節を元気に乗り切るためのポイントは2つ。
・気を守り、夏の時期に滞りやすい消化活動を支える「脾」、「胃」の経絡を整える。
・熱や血液の循環を管理する「心」、「小腸」の経絡を整える。
これらの経絡が通っている身体の前側を刺激して、猛暑が予想される今年の夏を元気に乗り切っていきましょう。

それでは、クラスの様子を見ていきましょう。
最初は「仰向けのバタフライ」で、股関節を弛めながら呼吸観察を行います。
ここからポーズの説明です。
1. 仰向けの姿勢になります。
脇の下に拳ひとつ分程度の隙間を空け、両腕をゆったりと伸ばして手のひらを上に向けます。
あごを引きます。
頭の下に畳んだブランケットなどを敷いておくと、自然とあごを引いたかたちになります。

2. 両ひざを立てます。

3. 立てた両ひざを身体の外側に倒して左右に開き、足の裏同士を合わせると、脚の内側がひし形のかたちになります。
脚は開くところまででOK。
あとは脚の重みで自然に開いていくのに任せます。
ポーズのかたちにはあまりこだわらず、気持ちよく股関節が広がっていくのを感じられる姿勢を探しましょう。
腰の痛みや違和感がある場合は、腰の下や両ひざの下にクッションなどを置いてみましょう。

脚に冷えやむくみのある方は、かかととお尻の距離を離します。
なかなか疲れが取れない、という方は、かかととお尻を近づけてみましょう。

4. 目を閉じて、ゆったりと呼吸します。
一度口からは~っと吐いて、お腹の緊張をほどきます。
吸う息で背骨から骨盤に向かって呼吸が流れるのを感じます。
吐く息が背骨を通り、上半身に向かって流れていくのを感じます。

意識を内側に向けて、自分の呼吸のリズムを見つめていきます。
他の誰とも違う、自分だけの心地よい呼吸のリズム。
吸う息で生気を満たし、吐く息で自分の中の要らないものを全部外へと吐き出します。

深く呼吸を繰り返しながら、じわじわと股関節が開いていくのを感じます。
身体中の力みがほどけていくのを感じます。

5. 口からは~っと吐き切って、両ひざを中央に戻します。

6. 両手で両ひざを抱えて胸の方に引き寄せます。
「クレイドル」のポーズ。
休息のポーズです。 肩がマットから浮かないように、手の位置を調整しましょう。
お腹と太ももの前側をさすって、骨盤内の血行を整えます。
冷たいものを口にすることの多いこの季節。
弱りがちな胃腸を優しく刺激していきましょう。

7. 一度は~っと吐き切って、足を降ろして立てひざに戻し、右側にごろんと転がります。
頭が最後になるようにゆっくりと起き上がりましょう。
ポーズの説明はここまでです。


今回は聴覚障がいの方の参加もあり、手話通訳さんがついてポーズを伝えます。



 




続いてのポーズは「クウォタードッグ」
肩周りのこわばりをほぐして、胸を開いていくポーズです。
腕を流れている心経・小腸経を刺激します。


ここからポーズの説明です。

1. 四つん這いの姿勢になります。
両ひざの間は腰幅程度に開き、股関節の真下にひざが来るように位置を調整します。
足先は寝かせて足の甲をマットに付けても、立てて足の甲をマットから離しても、どちらでも構いません。
四つん這いでひざが痛い方は、畳んだブランケットをひざの下に敷いてみましょう。

2. 左手を大きく一歩前へ出したら、左ひじを曲げて、左の前腕部をマットに付けます。

3. 左腕で身体を支えながら、今度は右ひじをマットに付きます。

4. 右の前腕を左方向に回して、右手の指先を左の肘関節の上に置きます。
股関節の位置がひざの真上からずれてしまったら、ひざの位置をずらして調整しましょう。

5. 頭を下げて、右腕の前腕の上か、その手前のマットに付けます。
お腹と脇の下をマットに向かって押し下げて、お尻を天井に向けて突き上げます。

肩が痛かったり、呼吸が早いままで落ち着かないようなら、右の前腕の上にクッションを置いて、その上に額を乗せてみましょう。
頭の位置が高くなる分、負荷が軽減されます。
逆に、物足りなさを感じるようなら、ひじの位置をもう少し前に出してみましょう。

6. ポーズのかたちが出来たら、呼吸を見つめます。
一度口からは~っと吐いて、お腹の緊張をほどきます。

吸う息で、お腹に呼吸が集まり、お尻の先を押し上げていくのを感じます。
吐く息が、お尻の先からなだらかなスロープを描く背中を通って、左の指先に向かって流れていくのを感じます。

自分の呼吸のリズムを思い出しましょう。
吸う息とともに、背中のスロープを登っていく呼吸。
吐く息とともに、ゆったりと身体の力みをほどき、弛んだ身体を重力に委ねて、身体の重みでお腹や脇の下がマットのほうに降りていくのを感じます。
脇の下が広がって胸が開き、その分呼吸が深くなり、さらに弛んで胸が開く。
この繰り返して、じっくり身体を弛めていきましょう。

7. 右手をマットに付いて身体を支え、左手も元の位置に戻して、四つん這いの姿勢に戻ります。

8. 左右を入れ替えて行います。
ポーズの説明はここまでです。
正座が出来ない方は、2脚の椅子を使って行うことも出来ます。
1. 椅子を縦に並べて、後ろの椅子に座ってひざを腰幅に開きます。
2. 左手で前の椅子の背もたれを掴みます。
3. 右手は太ももの上かひざの上、もしくはだらんと下に降ろして楽な位置へ。




聴覚障がいの方には、手話通訳の方とサポーターさんとで連携しながら、ポーズのかたちとポイントを伝えていきます。




静かに進んでいく練習時間。
それぞれに、自分の呼吸、自分の身体と向き合います。

四つん這いの姿勢に戻ったら、そのままお尻をかかとの上に降ろして「チャイルドポーズ」で休みます。



次のポーズは「ローリングパンダ」
草むらで転げ回って遊ぶパンダをイメージしてみましょう。
ただし、本当に転がらないよう気をつけてくださいね(笑)。

肩回りや腕を通る心経・胃経を刺激するとともに、脚の内側を通る脾経を刺激します。
ここからポーズの説明です。
1. 四つん這いの姿勢になります。

2. 左手を大きく一歩前に出します。

3. 右手をマットから離して、先ほどまで左手があったところ、左の脇の下の真下に右手の甲を付け、そのまま左方向に伸ばしていきます。
右腕が身体の左方向に伸びていく動きに合わせて、右肩を下に降ろしてマットに付け、右のこめかみもマットに付けます。
肩に痛みのある方は、肩の下にクッションなどを置いてみましょう。

4. 左脚を伸ばして足先だけをマットに付けます。
足先は元の位置から左にずらして、身体が後ろに転がらないようバランスを取ります。

どうでしょう?
この危なっかしさ(苦笑)は、まさしく「ローリングパンダ」ですね。

5. 左手を頭の上の方に伸ばしながら、頭の後ろをマットに付けていきます。
首や喉元が苦しくないところを見つけたら、そこでポーズをキープします。
更に刺激が欲しい方は、左腕を天井に向かって伸ばして、伸ばした腕をさらに背中の後ろ側に降ろしてみましょう。
腕の重みで、さらに胸が大きく開いていきます。
左手を背中に回して、腰のあたりに手の甲を付けてみるのも、胸を広げる効果があります。

6. ポーズのかたちが出来たら、呼吸を見つめます。
吸う息で、呼吸が身体の中心に集まります。
吐く息で身体が弛み、自分の重みで右肩がほぐされていきます。

大きく吸って、大きく吐いて。
時にぐらぐらする感覚も楽しんで。
ゆったりと呼吸を繰り返します。

7. 左手を元の位置に戻して身体を支え、四つん這いの姿勢に戻ります。

8. 左右を入れ替えて行います。
ポーズの説明はここまでです。

腰や肩に痛みがある方は、椅子を使って行うことも出来ます。
1. 椅子を縦に並べて、後ろの椅子に座ってひざを腰幅に開きます。
2. 左手で前の椅子の背もたれの左側を掴みます。
3. 右手は背中に回して、腰の辺りに手の甲を付けます。

 

皆さん、バランスを取りつつ気持ちいいポイントを探すのに少し苦労されているようでしたが、サポーターさんのフォローもあって、徐々に会場内は落ち着きを取り戻していきます。
 
油断するとバランスを崩しそうになって、わっと歓声が上がります。
椅子やブランケットなど、その場にあるものを活用しながら、ひとりひとりの身体の状態に合わせてアジャストしていきます。



続いてのポーズは「ドラゴンフライ」
姿勢の矯正、肩こりの緩和、 集中力UPなどの効果があります。
今回はちょっとアレンジして、上半身を左右に倒したり、ねじったりする動きを入れていきます。
いくつかの動きを組み合わせて、肩まわり、お腹、背骨、脚の内側を刺激します。
ここからポーズの説明です。
1. ひざを立てて体育座りの姿勢で座ります。
両手は、指先を立ててお尻の横に置き、指先でマットを押して身体を支えながら、座骨を立てて背中を伸ばします。

2. ひざを伸ばして、脚を大きく左右に開きます。
開脚は無理なく開くところまで。
ひざが痛い方は、無理に伸ばさずに曲げたままで構いません。
指先でマットを押して、座骨を立てた姿勢をキープします。

3. 両手の位置を、こぶしひとつ分程度外側にずらして、腕を横に開きます。
座骨を立てて、お腹を立てて、胸を上に。首、あたま。
天高く聳える塔のように、座骨を起点にして、下から上に身体を高く積み上げていきます。

4. 息を吸いながら左腕を伸ばして、ゆっくり大きく、横から天井に向けて回し上げます。
左の指先が伸びて、天井を差しています。
ひじが伸びない方は、曲げたままでも構いません。

5. 息を吐きながら、上半身を右に倒して身体の左側を伸ばします。
身体を倒す動きに合わせて、右手をマットに付いて身体の外側(この場合は右側)に滑らせていきます。
余裕のある方は、右ひじがマットに付くところまで倒してみましょう。
大事なのは呼吸を止めないこと、ゆったり呼吸が出来ること。
吸って広げ、吐いて弛めてを繰り返して、少しずつポーズを深めていきます。

6. は~っと息を吐いて、吸いながらゆっくりと身体を中央に戻します。

7. 息を吐きながら左腕を降ろしたら、今度は吸いながら右腕を横から回し上げます。
身体の側面を伸ばすのが目的なので、腕そのものは力んでぐいぐい伸ばさなくても構いません。

8. 息を吐きながら、上半身をゆっくりと左に倒して、身体の右側を伸ばします。
先ほどの逆で、左手を身体の外側(左側)に滑らせていきます。
力んでぐいぐい伸ばす必要はありません。
こんなにゆるくていいのかな、というくらいでいいんです。
ゆったり自分のペースで呼吸しながら、少しずつポーズを深めましょう。

9. 一度は~っと大きく息を吐いて、吸いながらゆっくりと身体を中央に戻します。

10. 今度はツイストします。
左手を身体の正面に回し、指先を立ててマットに付きます。
右手は左手の反対側、お尻の真ん中辺りに回して、指先をマットに付きます。

11. 吸う呼吸で、背骨を真っすぐに伸ばします。
あごは軽く引いておきます。

12. 吐きながら、身体をゆっくりと右にねじっていきます。
さらに呼吸を繰り返しながら、ポーズを深めていきます。
吸う呼吸で、坐骨をマットに沈めて安定させます。
吐いてゆっくりと、お腹、背中、肩と、ねじりを深めて行きます。

13. 一度は~っと吐いて、身体を正面に戻します。

14. 今度は左右を入れ替えます。
右手を正面、左手を背面に回します。
背骨が後ろに倒れやすいので、左手で身体を支えながら坐骨を立てておきましょう。

あごを軽く引いて胸を起こし、背骨を座骨の上に積み重ねます。

15. 息を吸って背中を伸ばし、吐きながら身体を左にねじります。
お腹がしっかりねじれていくのを意識、さらに背骨にねじりが伝わり、肩が開き、首、頭へとねじりが伝播していくのを感じます。
呼吸を続けながら、吐く息とともにねじりを深めていきましょう。

16. 一度は~っと息を吐いて、身体を正面に戻します。

17. さあ、今度は前屈です。
両手を身体の前に付きます。

18. 吸う呼吸で背骨を長く伸ばし、吐きながら両手を一歩一歩前に歩かせて前屈します。
両手は、手のひらをマットに付けても、手の甲をマットに付けて手のひらを上に向けても、どちらでも構いません。
腰や背中を丸めるのではなく、股関節を使って身体を折り曲げ、骨盤から前に倒す意識を持ちましょう。

腰が痛い方は、ひざを曲げても構いません。
太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)に力を入れて、上体を太ももに引き寄せるようにしてみましょう。
お尻の下に畳んだブランケットなどを敷いて少し高さを出すと、楽に前屈出来るようになります。

ポーズが安定したら、一度口からは~っと吐いて、お腹の緊張、背中のこわばり、腕や脚の力みを取っていきましょう。
吸う息でお尻の先に呼吸を届けます。
吐く息とともに力みをほどきます。
弛んだ分だけ身体の重さが身体を前に倒してくれます。
脚の後ろもじわじわと伸ばしていきます。むくみの解消にも効果がありますよ。

19. 一度口からは~っと吐いて、両手を一歩一歩身体の方へ歩かせて、頭が最後になるように、身体の下から上半身を起こしていきます。
両手をお尻の横について、は~っと一息。
ポーズの説明はここまでです。


ポーズの練習は二人一組のペアになって行います。
ここからポーズの説明です。
1. 二人で背中を合わせ、お尻とお尻をくっつけて、それぞれ両脚を左右に開いて開脚します。

2. ペアのどちらかが相手の手首を持ち、両腕を左右に伸ばし広げて肩の高さまで上げます。
ここから先は手首を持った方の人に合わせて説明します。
相手の方にとっては左右が逆になります。

3. 息を吐きながら、左腕を上に伸ばします。

4. 今度は身体を右に倒していきます。
右手がマットに付いたら右ひじを曲げ、ひじから先の上腕部をマットに付きます。

5. ゆったりと呼吸を繰り返しながら、身体の左側を伸ばします。
吸う呼吸でお腹が膨らみ、吐く呼吸とともにじわじわと体側を伸ばしていきます。
目を閉じてポーズをキープ。自分の身体を見つめ、相手の身体を感じます。

背中が緊張で固くなってはいませんか?
左の足首が、バランスを取ろうとこわばってきてはいませんか?

お互いに相手に寄りかかり、緊張をほどいて、ゆったりと身体を弛めていきましょう。
ただし、体格差がある場合はほどほどに(笑)。

6. は~っと息を吐きながら、身体を中央に戻します。

7. 左右を入れ替えて行います。
ポーズの説明はここまでです。
相手の様子を背中で感じながら、そっと身体を倒していく皆さん。
時おり「イテテテ!」なんて声も聞こえますが、その辺はご愛敬(笑)。
盛り上がって楽しむのがペアヨガの醍醐味ですから、あまりゆる過ぎてもいけません。
とりあえず、痛くなる手前のところまでは、しっかり伸ばしていきましょう。


背中を合わせた姿勢のまま、ドラゴンフライのツイストへ。
ここからポーズの説明です。
1. 左手を身体の正面に付きます。
右手は指を立てて、右のお尻の横、やや後方に置きます。
息を吸いながら、指先でマットを押して、坐骨を立て、背中を縦に伸ばします。

2. お互いにタイミングを合わせて、息を吐きながら、身体を右にねじります。
お互いに相手の方を振り返るような動きです。

3. ポーズが安定したら、呼吸しながらポーズをキープします。
息を吸って背骨を縦に伸ばし、息を吐いてお腹からしっかりねじっていきます。

お腹から、背中、胸、肩。
相手の姿を追いかけて、じっくりねじりを深めます。

背中が相手から離れないように。
身体が丸まってしまうと、自然に背中が相手から離れていってしまいます。

相手に背中を委ねながら、息を吸って、縦に伸びて。
息を吐いて、ねじりを深めます。

4. は~っと息を吐いて、身体を正面に戻します。

5. 左右を入れ替えて行います。
ポーズの説明はここまでです。


 


今度は、「ドラゴンフライ」と「仰向けのバタフライ」の組み合わせ。
ペアの片方は、開脚して前屈、「ドラゴンフライ」のポーズを取ります。
もう片方は、足の裏同士を合わせて合蹠し、相手の背中にもたれかかって、クラスの最初にやった「仰向けのバタフライ」のポーズを取ります。

 


「ドラゴンフライ」の方は、相手の体重を負荷として受け止め、呼吸しながら徐々に前屈を深めます。
腰が痛い方は、ひざを曲げても構いません。
お尻の下に畳んだブランケットなどを敷いて少し高さを出すと、楽に前屈出来るようになります。
「仰向けのバタフライ」の方は、相手の背中にゆったりともたれかかって胸を開き、深い呼吸を繰り返しながら、股関節を弛めていきます。


最初のうちはちょっと遠慮がちに、背中をちょこんと背もたれに預けるような感じでしたが、サポーターさんに誘導されて、少しずつ大胆に身体を委ねていきます。
気持ちよく身体を弛めていくと、表情もだんだんと柔らかく弛んで、眉間のしわも消えていきました。
胸が開き、大きくゆったりとした呼吸に変わっていきます。
下で支えるドラゴンフライの方も、相手の重みを背中で受け止め、自分ひとりでは出来ないところまで前屈を深めていきます。

腰の後ろが伸びて、背中が伸びて。
脚の内側や裏側にも刺激が伝わります。
身体が伸びるイタ気持ちいい感じを味わいます。


呼吸を合わせて身体を起こし、ポーズを入れ替えて行います。
先ほどまで前屈していた方は、何もかも忘れて相手の背中に自分の背中を預け、身体をゆったりと弛めます。
下で支える方は、先ほど弛めた股関節を活かして、相手の重みを受け止めて前屈を深めます。

のんびりと、ゆったりと。
お互いに自分のポーズを深めていきます。


再び呼吸を合わせて身体を起こし、足を伸ばして長座の姿勢か、ひざを立てて体育座りの姿勢になります。
お互いに寄りかかってリラックス。
相手の背中の温もりを感じながら、眼を閉じてしばらくポーズの余韻を味わいます。

周りに誰かがいること。
ひとりで頑張らなくても、誰かとともに歩むことで、ひとりでは出来ないことも出来る。
ひとりでは行けないところまで行ける。
支えたり、支えられたり。
そんなところにも幸せはあるのですね。
 


今日のクラスもいよいよ大詰め。
「シャバアーサナ」に入ります。

仰向けの姿勢で腰幅程度に脚を開き、腕は身体から少し離して、手のひらを上に向けます。
足先はだらんと外向きになるように。
腰の痛い方は、ひざを軽く立てて、ひざの下にクッションなどを挟み込んでみましょう。
頭の下にクッションを敷くなど、自分が一番リラックスできる姿勢を見つけたら、腹式呼吸でゆったり大きく呼吸します。

息を吸ってお腹を膨らませ、吐いてお腹を凹ませて。
深い呼吸とともに、目を閉じて、身体からすべての力を抜いていきます。
吐く呼吸とともに、身体の力みをひとつひとつ解いていきます。

夏は陽の気が最も大きくなる季節。
外に向けてどんどん発散していく時期です。
一方で、この後に来る秋や冬に備えて、気を養っていかなければならない季節でもあります。
活発に動いて気を発散する一方で、ゆったりと呼吸を見つめ、自分のエネルギーを蓄えていく時間も必要です。

大事なのは調和。
ひとつの音だけでは尖って聞こえるけれど、いくつかの音が重なり合えば和音になります。
ハーモニーが生まれます。

今日、この時。
様々な人が集まって、チャレンジド・ヨガというひとつの音楽、ひとつの和音を奏でる。
この時間があることに感謝します。

薄明りの中に聞こえるAki先生のメッセージ。
ゆったりとした呼吸を楽しみながら、ほんのひと時、何もかも忘れて気を養う時間を過ごします。

合図の鐘とともに、身体を目覚めへと導いていきます。
両手の指先をグーパーグーパー。
ひざを立てて、ゆっくり左右に動かします。
身体の右側を下にして横向きになり、左手で身体を支えながら、頭が最後になるようにゆっくりと下から身体を起こしていきます。

最後は安楽座の合掌。
胸の前で、左右の手のひらを優しく重ね合わせます。

合掌(アンジャリムドラー)は「自分への感謝」、自分に「ありがとう」を伝えるムドラーです。
そして、自分への感謝は自分の中から溢れ出て、周りへの感謝へと広がっていきます。

 


たくさんの「ありがとう」を自分に伝えていきましょう。
たくさんの「ありがとう」を周りにも伝えていきましょう。

それはいつか自分にも帰ってくるものだから。

合掌した手の親指の先を、鼻の下に持っていきます。
顔の前でのアンジャリムドラーは、この世界、自分を取り巻くすべてのものへの感謝を表します。
この空間があるから、私たちは今ここにこうして集うことが出来る。
そのことに「ありがとう」。

「ありがとう」は「有り難い」。
めったにないこと。
「有り難い」の反対語は「当たり前」。
私たちは普段、たくさんのことを「当たり前」だと思って過ごしているけれど、「当たり前」って、本当はすごく難しいこと。


ひとつの「当たり前」の向こうには、たくさんの人の目には見えない努力の積み重ねがある。
たくさんの人々が誠実に自らの役割を果たしてくれていることで、私たちは当たり前のように今ここにこうして集い、心地よい環境の中で、同じ時間を過ごしている。




今ここにいること。
一緒に呼吸を楽しんでいること。
たくさんの「ありがとう」を伝えたいと思っています。

合掌の手を胸の前に戻します。
今の呼吸を見つめていきます。

自分の呼吸、自分のリズム。
そんな心地よい呼吸を楽んで、今月も皆さんが日々穏やかに過ごされることを願っています。

そんな言葉で、今日のクラスは終わりました。

これから厳しい暑さがやってきますが、今日のクラスを参考に、日々養生してまた来月この場所でお会いしましょう。

☆立川クラスからのお知らせ☆
昨年6月の第1回の開催から、このクラスのメインインストラクターを務めてきたAki先生が、次回、8月6日のクラスを最後に卒業することになりました。
9月からは、いつもサポーターとして活躍されているmiwa先生がメインインストラクターを務めます。
そんなわけで、次回のクラスはAki先生卒業記念!
miwa先生とふたり、新旧インストラクターがコラボレーションする特別なクラスを企画しています。
ご期待ください!


PROFILE
村上 智彦

村上 智彦

担当部署:業務部

好きなもの:温泉
好きなスポーツ:トレッキング

温泉が好きすぎて、とうとう温泉ソムリエマスターになっちゃいました。
勢い余って、温泉入浴指導員、高齢書入浴アドバイザーの資格も取りました。
トレッキングは好き嫌いというより、歩かないと行けない温泉があるので必要に迫られてというか・・・(笑)。

オッシュマンズはチャレンジド・ヨガの活動を支援しています。
それは人と人との繋がりの賜物。
良いご縁に恵まれて、立ち上げのときからお手伝いさせて頂いております。

スポーツは万人のもの。
それはチャレンジド・ヨガの理念。
そしてオッシュマンズの目指すものでもあります。

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