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【保存版】 もう迷わない! 元日本代表ライフセーバーが教えるスイムグッズ&スイムウェアの選び方【スイムキャップ・スイムゴーグル編】

2018.07.23

屋内、屋外問わず、水泳をする際、水着と同じくらいマストで必要になるのがスイムキャップとスイミングゴーグル。

スポーツクラブや市民プールなどでもスイムキャップを被らないと利用できないところがほとんどで、必要にかられて購入しようと思っている人も多いと思います。ただ、いざ買おうと思って売り場に行っても、様々なブランドから様々な種類のアイテムがズラリ揃うなかで、どれを買ったらいいの!? と迷ってしまうのではないでしょうか。

ということで今回、ライフセーバーとして輝かしい実績をもち、現在はオッシュマンズでスイムグッズ、スイムウェアの売り場を担当する中曽根さんに、メリット・デメリットを含めた各アイテムの特徴や、選び方を教えてもらいました。

教えてくれたのはこの人!

オッシュマンズ スイムウェア、スイムギア担当スタッフ

中曽根麻世さん

高校卒業後、九十九里を拠点にライフセーバーとして活動。ライフセービング競技では全日本代表にも選ばれ、2005年〜2007年には全日本選手権のアイアンウーマンで優勝。世界大会ではオーシャンウーマンで9位に入るなど、輝かしい実績をもつ元アスリート。現在は2児の子育てをしながら、趣味のトライアスロン再開に向けて準備中。長い水泳競技歴から自身でも様々な水着、ギアを使用してきており、その経験をふまえて教えてくれるだけに説得力抜群。お客さんやスタッフからの信頼も厚い。

スイムキャップの種類と特徴

まずはスイムキャップから、どんな種類があり、どんな人に向いているのか、特徴と選びのポイントを聞いてみました。

メッシュキャップ

「文字通り、メッシュ素材でできたスイムキャップです。小学生の時などに被っていたという人も多いと思いますが、競技の選手でも練習の時に被ることがあります。魅力は何と言っても気軽さ。生地が伸びやすく、サイズ展開も豊富なので自分の頭にぴったりと合ったものを選べます。また、適度にフィット感があり、価格的にも一番安いのも魅力ですね。水抜けがよく、汗もこもりにくいので、長時間泳ぐ人にもおすすめできます。ただ、メッシュならではの透け感があるので、水泳中にも外から頭が見えてしまうほか、髪の毛も濡れてしまうのがデメリットといえます」

シリコンキャップ

「シリコンゴムでできたスイムキャップで、トップ選手からビギナーまで様々なスイマーに使われています。一番の特徴は、シリコン製なので水を通さず、髪の毛を濡らさずにすむこと。塩素などでなるべく髪を痛めたくない女性には、こちらをおすすめします。また、頭にぴったりとフィットして水の抵抗を受けにくいので、大会や記録会の時など、タイムを狙う際に被られているのもこのタイプです。デメリットとしては、被り心地が少しキツく、長時間泳いでいると蒸れてきてしまうこと。また、女性の方だと髪を全部なかに入れるので、慣れるまで被るのが少し大変なこともデメリットと言えます」

テキスタイルキャップ

「キャップのなかでも初心者から中級者まで一番被りやすく、ポピュラーなキャップがこのテキスタイルキャップです」

「水着と同じ素材でできており、縦と横に適度な伸縮性があるためとても被りやすく、シリコンキャップに比べると締め付け感も少ないのがメリットです。初心者でも扱いやすく、デザインもたくさんあるので、迷っている人にはまずこのタイプをおすすめしています。デメリットとしては、水を通すので髪が濡れてしまうこと。ただ、メッシュキャップのように透けたりはしません」

 2Wayシリコンキャップ

「見た目は先ほど説明したシリコンキャップですが、それを改良して被りやすさを高めているのが2wayシリコンキャップです」

「テキスタイルキャップの外側にシリコンのコーティングを施すことで水を通さず、裏に布地を貼り付けることで被りやすさを高めているのが特徴。つまり、シリコンキャップとテキスタイルキャップのいいとこどりをしたようなタイプになります。フリーサイズですが、髪の毛が長い人でもしっかりと全部収めることができるので、ある程度本格的に泳ぎたい人におすすめしています。完全防水ではない分、シリコンキャップほどの防水性が期待できないのがデメリットになります」

お手入れ方法と買い替えのタイミングについて

「スイムキャップは消耗品なので、使っているうちにTシャツなどと同様にへたれてしまいます。どのスイムキャップにも言えることですが、生地が薄くなってきたり、伸びてきたり、弾力性がなくなると買い替えのサインです。あくまでも目安ですが、週に3回くらい泳ぐマスターズスイマーの方で、3ヶ月に1回くらいの頻度で買い替えていらっしゃると思います。なるべく長持ちさせたいなら、1枚を毎回使い続けるよりも、3枚くらいをローテーションで使うと良いと思います」

スイミングゴーグルの種類と特徴

スイムキャップや水着と同じくくらい重要なのがゴーグル。泳ぎ方や目的に応じて選び方も異なるだけに、しっかりとポイントをチェックしておきましょう。種類と特徴、選びのポイントを聞きました。

レーシング

「自己ベストを目指す選手たちのために開発されたのが、レーシングゴーグルです。流水抵抗を少なくするため、レンズを極力小さくし、コンパクトになっているのが一番の特徴になります」

「顔のくぼみにピッタリとフィットする構造になっており、飛び込みの際もズレないないよう後ろのゴムバンドも2本になっています。くい込ませるようにぴったりとフィットさせるので、慣れていない人は最初装着感がキツいと感じるかもしれません。タイムを狙って泳ぐ人におすすめするタイプですが、顔が小さい人におすすめすることもあります。ただ、長時間使用していると目の回りにクッキリと跡がついてしまうので、女性の方だとそのあたりを気にされる方もいらっしゃいます」

ワイドタイプ(スタンダードタイプ)

「フィットネススイマーの方で、ゴーグルを探している方にまずおすすめするのが、このワイドタイプやスタンダードタイプと呼ばれているモデルです。多くの人にぴったりとフィットするよう、レンズが大きく、クッションパッドが付いているのが一番の特徴になります」

レンズが大きいため視界が広くとれ、クッションパッドがついているのでフィット感が優しいのが魅力ですね。装着時の圧迫感も少なく、ジムのプールなどで長時間泳ぎたい人にもおすすめできます」

女性用

「女性スイマーの方で、ジムや市営プールなどでフィットネス目的の方におすすめしているのが女性用ゴーグルです。その名のとおり女性の骨格にフィットしやすいサイズ感で作られているのが特徴になります」

「一目見てわかるとおり、クッションパッドの幅がたくさんとられており、そのため装着感は抜群です。目のまわりのパンダ跡がつきにくく、消えやすいよう作られているのも女性には嬉しいのではないでしょうか。ただ、レンズからはみ出すほどクッションパッドの存在感があるため、装着した時の見た目が若干良くないのはデメリットといえます。また、女性はもちろんですが、顔の小さい男性でも違和感なく装着できると思います」

オーシャンスイムゴーグル

「これまでご紹介したゴーグルとはタイプが異なり、トライアスロンなどオーシャンスイム用として作られているのが、このオーシャンスイムゴーグルです。一般的なゴーグルのようにレンズがフレームから飛び出しておらず、メガネのようにレンズがフレームに収まっている構造になっているのが分かると思います」

「通常のゴーグルはレンズとサイドの部分が異なる構造になっていますが、オーシャンスイムゴーグルはレンズが1枚で作られています。そのため視界が広く、光がたくさん入ってくるので周囲がクリアに見えます。プールのようにラインやコースロープがなく、景色のなかで対象物を決めて泳ぐオーシャンスイムに最適ですね。また、大人数で一斉に泳ぐ際も他の人の手があたりにくく、あたっても取れにくいのもポイント。フィット感(サイズ調整)も、ラチェット式になっているので泳ぎながら片手で調整できます。デメリットとしては、目とレンズの距離が近いためくもりやすく、まつげが長い人も気になるかもしれません」

レンズカラーによる違いについて

「スイミングゴーグルにも様々なレンズカラーが用意されていますが、基本的には一般的なサングラスと考え方は一緒です。黒系だとトーンダウンして見え、暖色系のカラーだと明るく見えます。使うシーンに応じたレンズカラーを選ぶのがポイントになります」

「例えばジムのプールなどは、タイルにブルーカラーが使われているので、レンズもブルーが見えやすいと言われています。ただ、なかには明るい照明などでギラギラし過ぎてしまい、酔ってしまう人もいらっしゃいます。そういう人には、ちょっとトーンダウンして見えるブラック系のレンズをおすすめしています。ミラーレンズは基本的に眩しさをカットするものなので、太陽の光が入ってこない室内プールでは必要ありません。オープンウォーターでは断然クリアがおすすめ。海のなかは意外と暗いので、なるべく明るく見えるものが良いと思います。あと、装着した時に外から目を見せたくないという人は、濃い色のカラー系レンズが良いと思います」

曇り止めの効果について

「ゴーグルは、装着していると自分の体温と水温の温度差で曇ってしまいます。ほぼ全てのゴーグルには最初から曇り止めの加工はされていますが、使っているうちに加工が剥がれてだんだんと曇ってきてしまいます。こればかりはしょうがないことなので、曇るようになってきたら、ゴーグル用の曇り止めを自分で塗るなどして対策をするしかありません。注意点としては、曇ったからといってレンズをこすらないこと。こするとさらに加工が剥がれてしまい、逆効果になってしまいます。ただ、最近では曇り止め効果が通常の10倍ほど長持ちするゴーグルや、レンズをこすることで曇り止め効果が復活するゴーグルなどが登場しています。気になる人はそのあたりもチェックしてもらうと良いと思います」

お手入れ方法・買い替えのサインについて

「使い終わったあとは、水でしっかりと洗い流したあと陰干ししておけば大丈夫です。ゴムやノーズパッドなどは消耗品で、へたれてきたら水が入ってくることもあるので、その際は買い替えたほうが良いと思います。また、レンズに傷が入ると曇ったように見え、そうなると復活することはないので注意しましょう。プールサイドなどに置く際、レンズ面が地面に当たらないように置くことが大切です」

あると便利なスイムグッズ

今回、さらに持っておくと必ず役にたつ、おすすめのスイムグッズも聞いてきました。こちらもぜひチェックしてください!

セームタオル

「通常のタオルよりも吸収性に優れ、絞るだけで吸水性が復活し、繰り返し使えるのがセームタオルです。車を洗車する時に使う洗車用のセームタオルと同じですが、こちらのほうが生地の目が細かくなっています。とてもコンパクトなので、会社が帰りにジムに行く人などにおすすめ。1枚あるとかなり便利ですよ」

マイクロファイバータオル

「ナイロンやポリエステルを原料とする、髪の毛の100分の1ほどの、とても細い繊維でできているのがマイクロファイバータオルです。非常に高い吸水速乾性を備えているので、1枚あれば髪の毛や全身の水分を充分吸い取ってくれます。通常のスポーツタオルほどの大きさなので首に巻いたりでき、セームタオルに比べて保管方法などのケアが簡単なのも特徴です」

ウォータープルーフバッグ

「防水加工が施されたウォータープルーフバッグも、各メーカーより様々なアイテムがリリースされ選択肢豊富に揃っています。メーカーによって素材使いも異なり、止水テープを使いより防水性を高めているもの、開口部がロールトップ式になっているものなど様々です。荷物の量、用途に応じて最適なものをお選び頂けたらと思います」

まとめ

ジム、プールに限らず、マストで必要になってくるスイムキャップとスイムゴーグル。それぞれ様々な種類があり、それにより特徴も異なることが分かって頂けたと思います。重要なのは、自分の泳ぐ場所、泳ぎ方にあわせて、それに合ったものを選ぶこと。なるべくストレスなく、トレーニングや競技に集中できるよう、ぜひ参考にして頂けたらと思います!


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