アメリカにルーツをもつショップ・ブランド同士が 原点回帰したこだわり満載のコラボバッグ

2025/08/22 00:00

オッシュマンズ40周年企画のひとつとして、オッシュマンズとも関わりの深い〈BRIEFING(ブリーフィング)〉、〈Aer(エアー)〉とスペシャルなコラボバッグが発売された。アメリカにルーツをもち、長きにわたりバッグと関わってきた3者が、どんな想いで今回コラボと向き合ったのか。完成までの経緯を聞いてきました。

(中)OSHMAN’S 商品部アウトドアディビジョン・チームマネージャー
斉藤淳史さん
(左)ユニオンゲートグループ WS営業部 部長 
堀口智治さん
(右)MSPC 営業 マネージャー
桐村遼太さん

 

―まずは、オッシュマンズ40周年のタイミングで今回のコラボに至った経緯を教えてください。―

斉藤:ブリーフィング、エアー共にオッシュマンズでとても長く取り扱いさせて頂いているブランド。ブリーフィングはMade in U.S.A.にこだわったタフなアイテムを長きにわたり展開されてきたし、エアーも都市とスポーツを繋ぐコレクションでスタートしたサンフランシスコ生まれのバッグブランド。そして、オッシュマンズもアメリカ生まれのスポーツショップなので、やはり「アメリカ」というキーワードは切っても切り離せない、特別な思い入れがあります。40周年の節目を迎えるにあたり、原点回帰といいますか、両ブランドを取り扱いはじめた頃の気持ちで、もう一度このタイミングで特別な別注アイテムを作りたくて今回お声かけさせてもらいました。

堀口:オッシュマンズさんはブランドとしてのお付き合いはもちろんですが、個人的にもとても好きなショップさん。20代の頃、原宿店によく足を運んでいたのですが、一歩足を踏み入れるとかすかにウェットスーツとワックスの匂いがして、アメリカ西海岸のような雰囲気がありました。まだ日本であまり知られていないアメリカの横ノリ系ブランドも置いてあったりして、とてもワクワクしたのを覚えています。日本でスポーツやアウトドアを、身近なファッションへ導いたパイオニア的なショップですよね。

桐村:原宿店は半地下のようになっていて、程よいローカル感もあり楽しかったですよね。僕もよくお買い物に行っていました。

斉藤:ありがとうございます(笑)。今はあの頃より店舗も増え、スタイルも時代に合わせて変わってはいますが、根本の部分は今でも大事にしています。アメリカを中心に、有名無名問わずバイヤーが世界中のブランドに目を光らせ、仕入れてきたアイテムが店頭に並ぶというのが、オッシュマンズが大切にしてきたスタイルでありDNA。これからもそこは大切にしていきたいですね。

 

女性でも違和感なく使える、ユニセックスなサイズ感が肝

BRIEFING 〈右〉SOFT RIPSTOP PACKABLE DAYPACK(BLACK/NAVY) 19,800円 〈中〉SOFT RIPSTOP SACOCHE(BLACK/NAVY)8,800円 〈左〉SOFT RIPSTOP 2WAY TOTE(BLACK/NAVY) 22,000円

―ぱっと見た感じ、今回のブリーフィング、エアーのコラボバッグは明確にキャラクターが違うのが見てとれます。それぞれどんなコンセプトで作ったのでしょう!?―

堀口:ブリーフィングのユーザーは男性が多いのですが、今回せっかくのコラボなので、今までにありそうでなかった、女性の方でも持ちやすいユニセックスなバッグを作ろうというところからスタートしました。ブリーフィングと言えばバリスティックナイロンを使ったタフで重厚なバッグのイメージがあると思いますが、今回は素材にソフトタッチなリップストップナイロンを使い、女性でも持ちやすいように細かくサイズを調整し、さらに全てのアイテムがパッカブル仕様になっているのがポイントです。

斉藤:サイズ感は特にこだわりましたよね。バックパックは14インチのPCも入るサイズで、最低限日常の物を持ち運べる絶妙な容量、サイズ感を追求しました。縦横のサイズを細かく調整することで女性の方でも背中の幅からバックパックがはみ出さず、背負った時に縦長の綺麗なシルエットで背負えるようになっています。

斉藤:あと、バックは細かい部分の使い勝手の良さや機能がとても大事なので、そのあたりも色々リクエストさせてもらいました。サイドポケットは500mlのペットボトルがちょうど隠れる深さにし、両サイドに付けてもらいました。また、パッカブル仕様のバックパックって袋だけのシンプルなものが多いのですが、背面に薄いパッドを入れることで荷物が背中に当たらないようにし、背負い心地を向上させているのも特徴です。

堀口:トートバッグも肩掛け、背負い共に女性がもちやすい絶妙なサイズ感を斉藤さんと一緒に探っていきましたね。細かいところで言うと、バックパック同様、両サイドに深いポケットを配置し、開口部にはドローコードで巾着のように締められるようにしてセキュリティも高めています。

桐村:見た目は軽量でシンプルなんですが、やっぱり細部に至るまでこだわりがすごいですね。サイズも絶妙だし、女性からも人気がでそう。

堀口:ありがとうございます。リップストップナイロンは使い込むほどに風合いも変化しますので、ぜひ日常のメインバッグに、旅先に持っていくサブバッグにとフル回転でクタクタになるまで使い込んでほしいですね。

 

よりスマートに、より使い勝手を高めるために試行錯誤

Aer 〈左〉CITY PACK 2 OSHMAN'S SPECIAL EDITION/33,000円 〈右〉DAYSLING 3 OSHMAN'S SPECIAL EDITION/17,050円

桐村:実は、エアーが2018年に、日本国内で初めてコラボさせてもらったのがオッシュマンズさんです。当時〈シティスリング〉という街での使いやすさを徹底的に考えた小型バッグを型から一緒に作らせてもらったのですが、それが本国アメリカでも評判になり、次のシーズンからエアーのオリジナルコレクションに追加されることになりました。そんな経緯もあり、今回のコラボは原点に立ち返り、都市(シティ)をキーワードに、ビジネス使いできるバッグとしてブラッシュアップして、よりスマートに、より使いやすくすることに注力しました。

斉藤:出来上がるまでに良いアイディアが沢山でてきて、細かい部分まで試行錯誤しながら一緒に作りあげました。エアーも代表のアレンが一緒にミーティングに加わってくれるなど、かなり本気度を感じましたね。

桐村:エアーのバッグは、実はコーデュラバリスティックナイロンを世界で一番使っており、アイコン的な素材ともいえます。ですが、今回はよりソリッドに、スマートに仕上げるためにフロントパネル素材を840デニールのコーティングファブリックに変更しました。そうすることで見た目的にもかなりブラッシュアップされ、よりビジネスで使いやすいようアップデートしました。

斉藤:ビジネスでバックパックを使う人のなかには、バリスティクスナイロンだとちょっとカジュアル感が強いという声もあったんです。コーティングファブリックにしたことで、そのあたりを気にしていた人もより手に取りやすくなったと思います。また、ビジネスユースのバッグでは近年、防水性の高さも外せないポイントになっていますが、コーティングファブリックにしたことでより水を弾き、防水性も高められました。ファスナーもコーティングファスナーが使われているので、ちょっとした雨の日でも荷物を濡らすことなく安心して使えるのもアピールポイントですね。

桐村:内装も元々はグレーだったのですが、鮮やかなオレンジに変更しています。オレンジはオッシュマンズカラーという意味もあるのですが、実は機能性の面でも便利です。

斉藤:バッグって中身が暗い色だと実は荷物を見つけにくい。オレンジにしたことで、よりバッグのなかで荷物を見つけやすく、視認性が良くなりました。エアーのバッグは見た目シンプルですが、内装がとても使いやすくて、すごく効率的かつ理にかなった構造になっています。すでに完成形といっても過言ではないなかで、細かな部分でワガママを言いながら、一緒にブラッシュアップアップさせてもらいました。

堀口:世の中のニーズをよく捉えていて、流石だなぁ〜と思いながら聞いてました(笑)。極力無駄をなくしてミニマルにしながら、とても機能性が高い。皆が欲しがる気持ちが分かります。モノ好きな人、ガジェット好きな人にもササりそうですよね。

桐村:そうなってくれると嬉しいです。30〜40代のビジネスマンをメインターゲットとして想定しましたが、良い意味でクセがないので使う人を選ばず、幅広い年代、職業の方がオン・オフで使って頂ける仕上がりになったと思います。

 

ビジネスバッグのこれから

―お三方は、これまで長きにわたりビジネスバッグのニーズと向き合ってきたと思います。これからの時代に求められることはどういうものだと思いますか?―

斉藤:10年前と比べても、働き方も、服装も変わってきているし、そもそも出社せずに在宅で仕事することも増えています。そんななかで、やはり仕事の日から休日まで、全てをカバーできるバッグっていうのは、多くの方が求めていると感じます。お店としても個々のライフスタイルが多様化するなかで、ニーズに細かく対応できるよう、バリエーションの幅も広げなければいけない。バッグはとにかく選択肢を広く。お客さんは沢山種類があって迷うけど、最終的には理想のバッグに巡り会えるお店であることが重要だと考えています。

桐村:メーカーとしても、ここまでがビジネス、ここまでがカジュアルという線引きをあまりしなくなり、いわゆる「仕事カバン」というものが少なくなったなと感じています。これまで以上にユーザーのニーズを的確に読み取りながら、機能やデザインに落とし込んでいかなければと思います。

堀口:今までよりさらにユーザーの嗜好が分かれているなかで、より多様なデザイン、素材が求められています。ブランドとしても、商品に必ず一手間かけて、実際に使われているところを深くイメージして商品開発を行っていければと思います。

オッシュマンズとも関係性の深いブリーフィング、エアーの40周年記念コラボバッグ。バッグのプロたちが、今の時代に求められるデザインと機能を考え抜き、カタチにしたアニバーサリーイヤーに相応しいアイテムとなっています。街と遊びのどちらでも使え、プラスアルファの機能性を追求したスペシャルな逸品を、ぜひ手にとってみてください。


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